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孫策  伯符
sonsaku-hakuhu

孫策ノ巻第九章  〜緻密な計算〜



さて、三つの敵を同時に相手をせざるを得なくなった孫策は、
秣陵城の攻略を一時中断し、秣陵の遊軍を打ちのめした。
孫策が城を堕とすのに戸惑っていると踏んでいた遊軍は、
完全に気が緩んでおり、一度は再起不能にまで追い込んだ軍なので、快勝。
そして、遊軍撃破に向かった孫策軍を、城攻めは諦めて退却したと誤解した、
秣陵城内の敵は、一瞬の隙ができた。孫策はその隙を突いて、秣陵城も攻略。
孫策がこれ程までも早く秣陵を攻略すると思っていなかった、牛渚の敵は、
これまた、一瞬の隙が生じており、その隙を突いて、一瞬で蹴りをつけた。

今回の戦いを纏めると・・・
孫策が城を攻めあぐねていると踏んで、気が緩んでいた遊軍。
遊軍撃破に向かった孫策軍を、退却したと誤解して気が緩んだ秣陵城の敵。
そして、孫策はまだ秣陵の攻略の最中だと踏んで気が緩んでいた牛渚の敵。
この気の緩みを、緻密な計算と迅速な攻撃で巧い具合に突き、
一瞬で壊滅させた孫策の軍略は、もはや異常とも言える。

敵が取った挟撃作戦も、なかなかの策だが、相手が悪かったと言える。
あとは、少数の残党軍の殲滅と、劉ヨウ軍の本拠地、曲阿を取るだけである。

しかし、そんな中で交錯する戦場に戦慄が走る・・・