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孫策  伯符
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孫策ノ巻第六章  〜江東へ進軍〜



手勢を揃えた孫策は、いよいよ進軍を開始した。目標は江東。
孫策が江東を選んだ経緯を説明すると、袁術の説明から入る。
袁術は狡猾で、味方からも敵からも恨まれることが多いという、
絶望的に人望がなかった人物でもあった。
更に、名家の出身であると言うだけで、
特に実力もあるだけではなく、更に家督は妾の兄、袁紹が勤めている。
世の中から見ても、唯一の自慢である出身の中からみても、
全然ぱっとしない人物でもあった。典型的な軟弱者である。
弱い癖にやたらめったら敵をつくるから、袁術は多数の敵勢力に囲まれていた。

敵の勢力の中に、劉ヨウがいた。あまり大きい勢力ではないため、
袁術の全兵力を持ってして攻めれば、勝てない相手でもないのだが、
知っての通り袁術は敵に包囲されている状態。
前線に孫策の叔父に当たる呉景が、劉ヨウ軍の前線で睨み合いをしていた。
孫策は、叔父の呉景を助けるという名目で、袁術に江東への進軍の許可を貰った。
敵の多い袁術にしてみれば、後顧の憂いである劉ヨウを早めに討ちたい。
しかし、睨み合い状態で攻めあぐねているのが現状で、
孫策の千兵ではどうにもならないだろうけど、少しは攻略の助けになるだろうと、
孫策の江東への進軍を許可したのである。袁術にとっては、軽い気であったが、
孫策にしてみれば、ここで劉ヨウを倒して江東を手にし、
天下取りへの礎を築かなければいけないのだから、必死である。


江東への進軍許可を貰った孫策は、早速江東へ向かった。