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孫策  伯符
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孫策ノ巻第二十二章  〜蜂蜜が舐めたい・・・〜



袁術の皇帝僭称に対して、最も早く行動を起こしたのが孫策だった。
袁術の愚行を見て、見切りをつけた孫策は、
袁術に絶縁状を叩きつけて、完全に袁術と縁切りをした。
孫策の次に行動を起こしたのが、「乱世の奸雄」と称される曹操。
三国志の本当の主人公とも言われ、三国時代の最大勢力、魏を建国した人である。
孫策の江東の制覇劇を見て、曹操は孫策を恐れ、その力を見込んでいた。
まず、袁術と曹操の大きく違うところに、敵と味方の選び方が巧い、という点がある。
曹操は逆賊袁術を敵、そして勢いのある孫策は味方に選んだ。

曹操は本物の皇帝を保護しているため、官位などを自由に操ることができる。
その利点を最大限に利用して、孫策に高い位を授け、代わりに袁術の討伐を任せた。
その動きに、常日頃から袁術に恨みを持つ群雄が一斉に共鳴した。
結果、袁術は多数の群雄から一斉に攻撃されて、
誰一人助けてくれる人もいなく、皮肉にも生まれた時から恨み続けてきた
兄袁紹に助けを求めると、こちらに来れば保護してくれるという返答がきた。
袁紹と袁術の浅からぬ因縁については、孫堅伝の十五章を参照してほしい。
やっと安堵に浸れると思った矢先、袁術は「蜂蜜が舐めたい」と言い残して
一斗あまりの大量の血を吐いて、死んでしまった。
袁術の最期の台詞は、多いに笑うところです(笑

生まれた時から他の群雄よりも優位な場所に立っていて、
才能もそこそこ持っていながら、目先の欲に振り回されるという、
群雄としての最大の弱点が災いして、袁術の勢力は中華から消し去った。