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孫策  伯符
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孫策ノ巻第二十章  〜袁術の誤算〜



孫策の万全の備えに対して、袁術の対応は拍子抜けだった。
かなり前では袁術の人柄について触れたが、
袁術は相変わらずに敵を多く作るような人物で、常に敵対勢力に囲まれていた。
孫策とは丹陽を譲れば同盟関係を保てたのだが、欲深い袁術は、
目先の欲に惑わされて、大事を見誤ってしまった。

丹陽を失っただけでなく、ただでさえ多い敵が増えてしまったのだから、
袁術は実に哀れである。その後、袁術は衰退の一途を辿る。

しかし、これだけで許してやるほど、孫策が生ぬるい人物であっただろうか?
孫策は袁術派の孫一族に対して、次々と孫策派につくように督促状を出した。
その効果は絶大で、妻子を見捨ててまで孫策派につく人物までもいた。
袁術の勢力内で諜報を行い、袁術の情報を洗いざらいにした周瑜は、
これを一つの期と見て、孫策のもとに戻ってきた。

丹陽の地、人材、情報を孫策に奪われた末に、
ただでさえ多い敵を増やしてしまった袁術は、哀れとしか言いようがない。