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孫策  伯符
sonsaku-hakuhu

孫策ノ巻第一章  〜小覇王〜



並みならぬ武勇と機略で天下に睨みを効かせ、志半ばで散った孫堅の長子。
字は伯符といい、呉郡の富春の出身。父の志を継いで天下に乗り出した。
父の孫堅は各地を転戦していたが、家族だけは戦火から守りたいと思い、
孫策を始めとする兄弟たちを、常に安全な場所に住ませていた。
世は大乱の時代だが、父のおかげで孫策は、安息の生活を送ることができた。

孫家が安全な場所に移ってゆく中で、孫策は周瑜という同年の男と出会った。
齢にして十歳。二人には人を惹きつけるような、どこか不思議な魅力があった。
お互いは世を通して天下について語り合った。
そして意気投合し、親友、いや兄弟のような仲にまでなっていた。
二人とも容姿端麗で、談笑を好む人だもあった。更に性格は快活ときた。

世の人は、孫策と周瑜には一生を掛けて仕えても良いと言う程であった。
英雄、孫堅の子としての孫策には、やはり英雄風が備わっていた。