トップページ -  呉史伝記-孫策ノ巻  第十九章



孫策  伯符
sonsaku-hakuhu

孫策ノ巻第十九章  〜独立〜



さて、ここで孫策には重大な選択が迫られていた。
このまま反独立状態を維持して、勝ち取った郡の支配で満足するか、
それとも完全に独立して、袁術と覇権を争うか。
周瑜が偵察に滞在していた、丹陽に袁術は、一族の袁胤を太守として派遣した。
これは、孫策が勝ち取った郡は自由にしても良いが、
丹陽だけは私のものだ、という袁術の意思表明である。

つまり、この袁術の意思表明に対する孫策の対応が、今後の全てを決定する。

孫策が下した決断は、袁術から完全に独立し、丹陽の覇権を争うことだった。
丹陽に太守として送り込まれた袁胤を、孫策は武力で追い返して、
孫策の一族を丹陽に送った。袁術の意志表明に対する、孫策の意思表明である。
そして、丹陽の奪還に来るであろう袁術の侵攻にも備えた。

父の代から因縁浅からぬ、袁と孫の一大決戦が始まろうとしていた。