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孫策  伯符
sonsaku-hakuhu

孫策ノ巻第十五章  〜男の降伏と、漢の開放と、侠の帰還〜



孫策と太史慈が対面した時に、実に二人の関係を良く表すエピソードがある。
孫策は、太史慈に対面すると縄を解き、こう言った。
「前の一騎討ちで、貴方が某に勝ったならば、恐らくこうしたことでしょう。」
こう言って、孫策は太史慈を自分の好敵手として、自らの将に迎えた。
太史慈はもともと孫策の実力を、多いに認めており、
そして敗れ、手を差し伸べられた今、孫策に心服しない訳がなかった。

太史慈が降伏して間もない頃、孫策は太史慈に挙兵を命じた。
ちなみに、太史慈は徐州生まれなのである。
孫策は太史慈に、この徐州につながる豫章で挙兵するように命じた。
こんなことしたら、太史慈が徐州に逃げ帰る心配がある。
それを危惧した意見が多い中、孫策は「太史慈に限ってそれはない」と一蹴した。

そして太史慈は、孫策の言ったとおりに挙兵をして帰ってきた。
実に、爽やかな孫策と義を重んじる太史慈らしいエピソードである。