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甘寧  興覇
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甘寧ノ巻第七章  〜各地を転戦〜



黄祖を討伐した後は、甘寧が士官した時に高く評価し、
良く取り立ててくれた周瑜の片腕となって各地を転戦した。
烏林では曹操、南郡では曹仁を撃破し、今度は夷陵を堕とせとの命を受け、
夷陵につくやいなや、城に急襲を掛けて即座に堕とした。
しかし、甘寧が堕とした城を、南郡の戦いで破った曹仁に派遣された軍に、
完全に包囲されてしまった。
逃げ道は一つもなく、昼夜を通して攻撃を掛けられ、
兵たちは怯えていたが、甘寧だけは何故か余裕の様子で、普段通り談笑していた。
それもそのはずで、周瑜がすぐに駆けつけ、曹仁の包囲網を周瑜が更に包囲し、
内側からは甘寧が圧力を掛けて、甘寧と周瑜による二重の完全な包囲網を敷いた。

城の内側からも外側からも猛攻撃を受けた曹仁の軍は、たちどころに崩壊した。
甘寧と周瑜による、見事な連携攻撃と言えよう。

一つの戦に勝利しても、乱世が終わる訳ではない。勝利の歓喜が冷めぬうちに、
次の戦場に飛ぶのは、武人の宿命と言ってもいいだろう。
次の甘寧の戦場は益陽。相手は三万の軍を率いる関羽。
関羽と聞けば、その名に聞き覚えがある人も多いと思う。
乱世が始まる黄巾の乱から、江陵城で敗戦して戦死するまで、
一度も不覚を取ったことがなく、その武勇は兵二万に匹敵すると称された軍神。
現代でも関羽を神として崇める地域もある。日本では何故か商売の神様にもなっている。

軍神、関羽を相手に甘寧は勝利することができるのであろうか?
勝つも負けるも兵家の常。ならば勝利をその手に掴め!