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甘寧  興覇
sonken-bundai

甘寧ノ巻第六章  〜再会〜



甘寧の出陣には、孫権が直々に赴き、激励した。
そして、甘寧は孫権の期待に応えて、見事に黄祖を捕らえてきた。
甘寧の手に掛かれば、黄祖如きを捕らえるのは造作もなかった。
しかし、甘寧は堕落から救ってくれた、蘇飛も捕らえなければならなかった。
孫権は黄祖討伐の際に二つの箱を用意しており、一つの箱には黄祖、
そしてもう一つの箱には蘇飛の首を収めるつもりであった。

甘寧は孫権の命令通りに恩人の蘇飛を捕らえたが、
蘇飛は、甘寧が言った、俺が助けてやる!という言葉を信じていた。
以前蘇飛は甘寧を堕落から救った。今度は甘寧が蘇飛を救う番だ。
ある日、孫権は甘寧の功を労うための酒宴を開いた。
その席で、甘寧は孫権に懇願した。涙を流して、蘇飛を助けてくれと懇願した。
蘇飛を斬るなら、代わりに私めを斬ってくれ、とまで言われると、
頑固で知られている孫権もついに折れて、蘇飛を赦免してやり、
また、甘寧の友人のためなら体を張る忠義を多いに褒めた。


やはり、と言った活躍だろうか。
黄祖との契りの決着をつけ、恩人の蘇飛に恩返しをし。
そして孫権の信頼も多いに得て、快調な出だしである。