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孫堅  文台
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孫堅ノ巻最終章  〜最期〜



劉表如きで江東の虎、孫堅に敵うはずもない。
ましてや、何度も乱世が治まる兆しを見せては、叶わなかった無念。
その無念を、今やっと拭える機を得た孫堅の軍である。
怒涛の快進撃。孫堅は、全ての戦いという戦いに、快勝していた。
そして、残すは襄陽を堕とすのみであった。
孫堅の号令一つで、荊州は孫堅のものとなり、乱世の終わりを意味していた。
だが、運命とは皮肉なものでもある・・

孫堅、字を文台。荊州の地で三十七歳という若さで世を去った。
あと一歩・・・そう、あと一歩で彼の天下が実現した。
あと一歩で乱世が鎮まり、天下の民の幸福が約束されようとしていた時に。
孫堅は流れ矢に当たって落命した。
単独行動を好んだ孫堅には、当たり前のような最期でもあるかもしれない。
しかし、人とは儚いものだ。こうも簡単に終わってしまうものなのだろか。
乱世に飛び出し、天下に睨みを効かせ、乱世を虎の如く駆けた孫堅。

彼は乱世に何を思い、そして治世に何を望んだのだろう・・・