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孫堅ノ巻第七章  〜殺されかけた董卓〜



前章で後に孫堅と董卓は宿敵になると記述したが、二人の初対面は最悪であった。
と、言うのも朝廷に涼州の反乱を鎮圧するように命じられたにも関わらず、
董卓は何もしないで、張温が駆けつけて董卓を呼んでも三ヶ月も遅刻する始末。
挙句の果てに、不遜な態度で軍議に臨んだのである。
勿論、当時ではこんな者は軍規を乱すから処刑するべきなので、
正義感溢れ、賢明な孫堅は張温に、董卓を処罰するように進言している。
しかし、張温は自分で涼州の反乱を鎮圧する自信が無かったのか、
董卓の援助が無くなるのを恐れて、孫堅の進言に対して躊躇してしまう。
そこで孫堅は、賢明な言葉で説得するも、張温は受け入れなかった。

このことは、世間では孫堅の賢明さが多いに評価され、張温は愚鈍だと罵られた。
つまり、董卓は初対面の青二才に殺されかけたのである。
董卓にしてみれば、張温が無能だったから良かったものの、冷や汗ものである。
更に、この時すでに董卓は孫堅の機略を多いに評価していたので、
董卓の目には孫堅が、自分の天敵にも見えたのかもしれない。

初対面でいきなり処罰を進言する孫堅も孫堅で、やはり孫堅の目にも、
この董卓という男が危険人物に見えたに違いない。
宿敵同士、初対面から対立していたのである。