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孫堅  文台
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孫堅ノ巻第六章  〜江東の虎の宿敵〜



黄巾の乱は孫堅や各地の英雄の活躍で鎮圧された。
世は、一時的に落ち着きを見せたのである。
だが、それだからと言って腐敗しきった漢王朝が元に戻る訳でもなく、
孫堅に、何かとよくしてくれた朱儁将軍、それと皇甫嵩将軍は、
黄巾の乱の鎮圧に最も活躍して英雄であるにも関わらずに、
なんと宦官に賄賂を送らなかった、という理由で将軍の職を剥奪されている。
それは即ち、また世が荒れることを意味していた。

黄巾の乱から二年、今度は涼州でも反乱が起こった。
それを鎮圧しに行ったのが、中郎将の董卓である。
この董卓も黄巾の乱の鎮圧に駆けつけたのだが、全く戦果を挙げられず、
将軍の職を剥奪される、という時に朱儁や皇甫嵩とは全く逆の行動に出た。
宦官を賄賂ですかさず買収し、中郎将の位まで授かったのである。
最も活躍した英雄には職を奪い、活躍もしなかった者に恩賞を与える。
これでは、どんどん世が乱れてゆくのも目に見えている。

涼州の反乱の鎮圧に当たった董卓はと言うと、何もしていなかった。
何故何もしなかったのかは分からないが、これは大問題。
すぐさま、司空の張温が反乱の鎮圧に駆けつけた。
その時に、参軍として起用されたのが、そう。孫堅である。
この時、後に宿敵となる董卓と孫堅は初めて出会った。