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孫堅  文台
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孫堅ノ巻第三章  〜妖賊ただ駆逐すのみ〜



仮の尉を勤めている孫堅の仕事振りは、目を見張るものがあった。
勿論その結果は昇格という結果で表され、孫堅はついに郡の司馬となった。
前回勤めた仮の尉とは違い、郡の司馬とはれっきとした役職である。
仕事の内容的には主に、軍を司るなどが挙げられる。
そう、孫堅は若年にして軍を統率することになったのだ。
そして、孫堅の才能を逸早く見抜いた中郎将軍、朱儁により、
許昌の乱の鎮圧を任される。許昌の乱とは、会稽郡の句章で起こった。
妖賊の許昌が起こした宗教的反乱で、前章で登場した海賊の棟梁、胡玉は
この許昌の股肱の配下でもある。このことでも分かるように、
許昌は会稽郡を随分困らせており、その許昌が起こした反乱の鎮圧を
多大な信頼で任された孫堅の責任は、かなり重大とも言える


勿論、その過大な期待にも見事答えてくれるような男こそ孫堅である。
許昌の乱は、数万の勢力を持っており、対する孫堅の軍勢は、僅か千人程。
ただし、当時の会稽郡は許昌の乱の首謀者の名前すら混同するなど、
かなり混乱を極めていた。従って、この勢力差を示す記述には
かなり信頼性が欠けていることも確かであるが、圧倒的な勢力に対して、
対する孫堅の勢力は少数
であったことは間違いないようだ。
しかし、孫堅にとってそのようなことは然したる問題でもない。
孫堅は見事、この許昌の乱を鎮圧してみせたのである。

この許昌の乱での孫堅の活躍振りを見た中郎将軍の朱儁は、
多いに孫堅を評価し、後の黄巾の乱でも孫堅を重用するようになる。
全てはトントン拍子で「乱世に孫堅あり!」と知らしめたのであった。