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孫堅  文台
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孫堅ノ巻第十章  〜世直し掲げて終結するも、足並み揃わず〜



都を牛耳った董卓の横暴振りは、目を見張るものがあった。
現在の帝を勝手に廃して、帝の弟、陳留王を献帝として、帝に立てたのである。
いかに帝と言えども、すでに董卓には逆らえないような状態であった。
帝ですらこの待遇である。天下の下にある民に対しては、はもっと酷かった。
その逆賊、董卓を討たんと、立ち上がったのが「乱世の奸雄」と称される曹操。
三国志の本当の主人公とも言われ、三国時代の最大勢力、魏を建国した人である。
曹操は、各地の英雄に檄文を呼ばして反董卓連合を結成する。
反董卓連合には、宮中で大虐殺を繰り広げた袁紹、その弟の袁術などが参加した。
更に言えば、袁遺、鮑信、王匡、劉岱、喬瑁、韓馥など。そうそうたる顔ぶれ。
その中に、あの孫堅の姿があった。孫堅の巻なのに暫く振りの登場。

まず、先手を打ったのが董卓である。
その狙いは宴を開いている最中で、丸裸同然の孫堅。
こんな勝機は二度と無し!と意気込んで攻め入るも、孫堅が機転を利かせて
突然の攻撃にも全く動じないで、冷静に敵を迎え撃った。
それにより、董卓は何もせずに撤退した。まずは、連合軍が董卓の出鼻を挫いた。

これで躍起になったのか、董卓の標的はまたも孫堅に定まった。
孫堅の腹心、祖茂が孫堅をかばって名誉の戦死をするも、戦には特に進展はなし。
孫堅にとっては心情的に大きな痛手となったのは、確かなのだが。
その悲しみを乗り越え、陽人を堕した孫堅は、軍を再編成して次の戦に備えた。
この戦い、これからが本番であろう。

勝つか、負けるか。生か、死か。戦はその大原則に従って進められるのみで、
次の孫堅に与えられる結果は何れであるか・・・